それ海外で売れますよ

シンガポールで売るマーケターのブログ

Category: 海外で売りたいと思ったら

今一番イケてるジャパニーズブランド「アシックス(ASICS)」

インターブランド発表の「Japan’s Best Global Brands」(グローバル日本ブランドランキング)の2016年版を見て、やはり今日は超イケてるブランド、アシックス(ASICS)について書いておかなければいけないと思った。このランキングでアシックスは、昨年の19位から更に順位を上げ、グローバルブランド力17位の日本ブランドに選ばれている。ひとつ上の16位はなんと資生堂である。日本が誇るトップ化粧品ブランド資生堂の次にアシックス!ニコンや日立、三菱電機よりも上位と言うと、更にその凄さがわかってもらえるだろうか。

ここでアシックスと聞いて、「ああ、なんか中学生とかよく履いてるやつ?」なんて鼻で笑ってるようではダサい。本当にダサい。その魅力に気づいていないのは、当の日本人ばかりなのだ。アシックスこそ、世界の一大トレンドを牽引する、今一番ホットなジャパニーズブランドと言っても過言ではない。

世界のランブームを牽引するアシックス

日本在住の皆様はどのくらい体感していらっしゃるかわからないのだが、今、世界は空前の「ラン(Run)」ブーム。北はアラスカから南はアフリカまで、猫も杓子もみんなランニングに夢中だ。あらゆる都市でこぞってランイベントが開かれており、東京マラソンに勝るとも劣らない熱狂が世界各国で繰り広げられている。

私が住むシンガポールでも、一昔前では考えられなかった人数のランナーが、シンガポール国内を所狭しと駆け抜けている。マリーナベイサンズの周りやシンガポールリバーのほとり、シェントンウェイの高層ビルの合間など、あなたも国内を歩けば必ず恍惚とした表情のランナーとすれ違うことだろう。そんな彼らが誇らしげに履いているのが、カラフルな高性能ランニングシューズ。ガチな本格派ランナーに人気のブランドはいくつかあれど、特に熱狂的なファンが多いブランドこそ、そう、日本が誇るアシックスなのである。

なぜ世界はアシックスに夢中なのか?

ここでAmazon.comが発表している、現在の男性用ランニングシューズベストセラーランキングを見てみよう。トップ3をアシックスが独占!上位5位のうち、なんと4つをアシックスが占めている。

Amazon Best Sellers- Best Men's Running Shoes

Amazon best seller ranking

世界の人々がこんなにもアシックスを買いまくっている理由のひとつが、ランニングシューズとしての圧倒的な高性能ぶり。特にジェルシリーズは人気が高く、走りを妨げない適度なクッション性やその軽さが愛好者達を魅了している。

DSC_0348

デザイン性もまた高く評価されていることを忘れてはいけないだろう。 このページとかこのページとかをご覧いただくとわかると思うんだけれども、よくよく見るとアシックスは結構オシャレなのだ。ほら見て!先入観で曇ったその眼を!かっぽじって!よく見て、ホラ!!

聞けば経営もすこぶる好調で、売り上げ全体の海外比率は80%を超えるとか。その海外プレゼンスを徐々に下げ続ける日本ブランドが多い中、この快進撃はもうお見事としか言いようがない。すごいよ、かっこいいよ、アシックス。というわけで私もこれから久々にランニングでも行ってこようと思うのです。もちろん、足元は自慢のアシックスで。

DSC_0346

「これ海外で売れますかね?」と訊かないでほしい理由

568E3E34AE

ありがたいことに、こんな私にわざわざアポを取って来て下さる方がいる。スーツ姿の額から流れ出る汗を拭き拭き、上目遣いで切り出されるのは、決まってこんな質問だ。

「あのう、これ……海外で(もしくは、シンガポールで)売れますかね?」

不安げな彼の目に写る私は、シンガポール市場専門のリサーチャーであり、シンガポール企業を顧客に持つマーケターであり、「なんかイッテQとかに出てたらしい人」である。彼の大学時代の友人が、「俺もよくわかんないんだけど、シンガポールで商売するならとりあえずイムラさんに会っておいたほうがいいよ、ちょっと占い師っぽいしね」と謎のお墨付きを出した人である。彼の目が語りかける。どうかどうか、売れないなんて言わないで。わざわざ日本からプチプチを4重に巻いて大切に持ってきた、社運を懸けたこの製品を、スパッと一刀両断なんかしないでお願いだから!しかしそこで……

「愚問だな」

と、ジョジョ立ちしながら言い放つ私。ズキュゥゥゥン!!……となれば、そこにシビれる!あこがれるゥ!のだけれど、小市民な私はたいていこんな風に答えることにしている。「あのう、逆にお伺いしますが、どれくらい売りたい感じですかね?」と。
問題は「どれくらい売りたいか」「売るつもりがあるか」

正直、日本で通用するような商品である限り、多少であればなんでも売れるのである。シンガポールには一定の日本ファンの皆さんがいて、しかもそれはどう見てもシワシワなアラサー動画ブロガーである私たちニンジャガールズを「(薄目を開けて見れば)かわいい」と愛でてくださるような心の広ーい方々なのだ。どんな商品やサービスも“日本のものだから”という理由で受け入れてくれる土壌は、ある。問題は、どれくらい売りたいのか、売らなければならないのか、という点だ。

お偉いさんに見せるためのちょっとした成果として、「どうですか!シンガポールで50個も売れましたよ!」って実績を作りたいくらいなら、こうした理解のある皆様に、ちょこちょこっとお買い求めいただく方法を考えれば良い。正直、シンガポール在住の日本人に販売して、「シンガポール(の日本人の間)で売れてます!」ってことにしちゃうことだってできる。でもそうじゃなくて、ちゃんとたくさん売りたい、この国でガチの商売がしたい、というのであれば話は全く違ってくるのだ。

飛行機に乗る時、携帯と一緒に商才スイッチまでオフにする必要はない

こう書いてしまうと当たり前のことなのだけれど、日本のビジネスパーソンには、一度日本の国境をまたぐとあらゆる商才スイッチがオフになってしまわれる方々が多いように思う。もちろん日本の常識を押し付けて来られても迷惑は迷惑なのだけれど、だからといって当たり前の商売の基本のきまで忘れ去ってしまうのはどうかと思うんだ。

「これはお客さんの財布の紐を緩めそうかどうか」をビクビク気にするんじゃなくて、「お客さんの財布の紐をどうやって緩めたらいいか」っていうのを、今まで培った嗅覚とお客様への愛でもって、自信を持って探求してほしいんだよね。あなたにはそれができるから。

(c) 2016 ayaimura.com それ海外で売れますよ All Rights Reserved.